专利摘要:
臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、ヘミエタン‐1,2‐ジスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩及び2‐ナフタレンスルホン酸塩からなる群から選ばれる(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩。
公开号:JP2011513466A
申请号:JP2010550190
申请日:2009-03-11
公开日:2011-04-28
发明作者:フェト,マルティン;フォルツ,ユールゲン;フンメル,ロルフ−ペーター;マイアー,トマス;ミューラー,ベルント;ミューラー,マティアス
申请人:4エスツェー アクチェンゲゼルシャフト;
IPC主号:C07D403-12
专利说明:

[0001] 発明の技術分野
本発明は、医薬産業において医薬組成物の製造のために用いられる、(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド塩に関する。]
背景技術

[0002] 技術背景
細胞内の転写制御は複雑な生体プロセスである。その基本原理の一つは、ヒストンタンパク質、つまり八量体ヒストンコア複合体を形成するヒストンタンパク質H2A/B、H3及びH4、の翻訳後修飾による制御である。リシン残基のアセチル化又はメチル化、及びセリン残基のリン酸化による、これら複雑なN末端修飾は、いわゆる“ヒストンコード”の一部を構成する(Strahl & Ellis,Nature 403,41‐45,2000)。一つの簡単なモデルにおいては、正に荷電したリシン残基がアセチル化されると、負に荷電したDNAへの親和性が低下し、こうして転写因子の結合が可能になる。]
[0003] ヒストンのアセチル化と脱アセチル化は、ヒストンアセチル基転移酵素(HAT)及びヒストンデアセチラーゼ(HDAC)によって触媒される。HDACは転写抑制因子複合体と関連し、クロマチンを転写が不活性なサイレントクロマチン構造に転換させる(Marks et al.Nature Cancer Rev 1,194‐202,2001)。逆のことが、転写活性化因子複合体と関連するHATについて当てはまる。これまでに、HDACの3種の異なるクラスが記載されており、すなわち、クラスI(HDAC 1〜3、8)はMr=42〜55kDa、主として核に局在し、トリコスタチンA(TSA)阻害に感受性であり;クラスII(HDAC 4〜7、9、10)はMr=120〜130Da、TSA感受性であり;クラスIII(Sir2ホモログ)は他とは大きく異なり、NAD+依存性及びTSA非感受性である(Ruijter et al.Biochem.J. 370,737‐749,2003;Khochbin et al.Curr Opin Gen Dev 11,162‐166,2001;Verdin et al.TrendsGen 19,286‐293,2003)。近年、Mr=39kDaを有するHDAC11がクローニングされ、クラスI及びIIのメンバーとの相同性が示された(Gao et al.J Biol Chem 277,25748‐25755,2002)。HATとHDACは、細胞中で転写因子及びプラットフォームタンパク質とともに大きな複合体で存在している(Fischle et al.Mol Cell 9,45‐47,2002)。驚いたことに、TSAを参照HDIとし、340個の遺伝子のディファレンシャル・ディスプレイ分析をもとに推定したところでは、すべての遺伝子の約2%だけがヒストンアセチル化によって調節される(von Lint et al.Gene Expression 5,245‐253,1996)。多数のミエローマ細胞におけるSAHAを用いた新たな研究により、これらの転写的変化は、例えばアポトーシス又は増殖の調節に重要な、個別の機能的遺伝子クラスにまとめることができることが示された(Mitsiades et al.Proc Natl Acad Sci 101,pp540,2004)。]
[0004] ヒストンタンパク質とは異なる基質も存在する。HDACにとっては、p53やTFII Eのような転写因子、又はHsp90のようなシャペロンがそうである(Johnstone&Licht,Cancer Cell 4,13‐18,2003)。それゆえ、HDACは正確にはリシン特異的タンパク質脱アセチル化酵素と呼ぶべきであろう。これらの知見の結果として、HDACインヒビターは、通常、クロマチン構造と遺伝子転写のみならず、タンパク質アセチル化の調節によってタンパク質の機能と安定性にも作用する。タンパク質アセチル化におけるこのHDACの機能はまた、HDIでの処理による迅速な遺伝子抑制を理解する上でも重要であろう(von Lint et al.Gene Expression 5,245‐253,1996)。この点に関して、発癌性の形質転換、アポトーシス調節及び悪性細胞増殖に関連するタンパク質は特に重要である。]
[0005] 種々の文献で癌発生におけるヒストンアセチル化の重要性が強調されている(Kramer et al.TrendsEndocrin Metabol 12,294‐300,2001;Marks et al.Nature Cancer Rev 1,194‐202,2001に総説)。これらの疾病には、以下のものが含まれる。
(i)ルビンスタイン・テイビー症候群に関連するHATcAMP応答エレメント結合タンパク質(CBP)の突然変異、癌素因(Murataet al.Hum Mol Genet 10,1071‐1076,2001)、
(ii)PML‐レチノイン酸受容体α融合遺伝子による、急性前骨髄球性白血病(APL)における転写因子によるHDAC1活性の異常亢進(He et al. Nat genet 18,126‐135,1998)、
(iii)非ホジキンリンパ腫で過剰発現されたBCL6タンパク質によるHDAC活性の異常亢進(Dhordain et al.Nuceic Acid Res 26,4645−4651,1998)、及び最後に
(iv)急性骨髄性白血病におけるAML‐ETO融合タンパク質によるHDAC活性の異常亢進(AML M2サブタイプ;Wang et al.Proc Natl Acad Sci USA 95,10860‐10865,1998)。このAMLサブタイプでは、HDAC1活性の亢進が原因となって遺伝子サイレンシング、分化阻害、及び発癌性形質転換が引き起こされる。
(v)HDAC1遺伝子をマウスにおいてノックアウトすることで、HDAC1は、サイクリン依存性キナーゼインヒビターであるp21waf1及びp27kip1を抑制することによって、胚性幹細胞において重大な機能を果たすことが示された(Lagger et al.Embo J.21,2672‐2681,2002)。p21waf1はHDIによって多くの癌細胞系統で誘導されるので、HDAC1は、癌細胞増殖においても同様に重要な成分なのだろう。初期のsiRNAを基礎とするHeLa細胞での遺伝子ノックダウン実験は、この仮説を支持している(Glaser et al.310,529‐536,2003)。
(vi)近年Zhuらによって報告されたところによると、機能性腺腫性結腸ポリポーシス(APC)タンパク質の欠損によってwnt/β‐カテニン/TCF‐シグナル伝達経路が構成的に活性化されると、結腸癌においてHDAC2が過剰に発現される(Cancer Cell 5,455‐463,2004)。]
[0006] 分子レベルでは、トリコスタチンA(TSA)のような種々のHDACインヒビターに関する大量の公表データから、多くの癌関連遺伝子が上方制御又は下方制御されることが示された。前記の遺伝子、例えばp21waf1、サイクリンE、形質転換増殖因子β(TGFβ)、p53又はフォンヒッペル・リンダウ(VHL)腫瘍抑制遺伝子はHDAC阻害によって上方制御され、他方、Bcl‐XL、bcl2、低酸素症誘導性因子(HIF)1α、血管内皮増殖因子(VEGF)及びサイクリンA/Dは下方制御される(Kramer et al.TrendsEndocrin Metabol 12,294‐300,2001に総説)。例えばデプシペプチドを例に示されるように、HDACインヒビターは、細胞を細胞周期のG1とG2/Mで停止させ、S期の細胞が不足することが示されている(Sandor et al.British J Cancer 83,817‐825,2000)。HDAC阻害化合物は、p53とカスパーゼ3/8非依存性アポトーシスを誘導し、かつ広範な抗腫瘍活性を有する。抗脈管形成活性についても記載があり、VEGFとHIF1αの下方制御に関連する可能性がある。総括すると、HDAC阻害は種々の分子レベルで腫瘍細胞に作用し、多様な細胞内タンパク質がターゲットとなる。]
[0007] 興味深いことに、HDACインヒビターは細胞分化を誘導することが見出され、この薬理活性は同様に抗癌活性に寄与する可能性がある。例えば、最近では、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)が乳癌細胞系の分化を誘導することが、乳脂肪膜球状タンパク質(MFMG)、乳脂肪球状タンパク質及び脂質の再合成によって示された(Munster et al.Cancer Res.61,8492,2001)。]
[0008] HDACインヒビターと化学療法剤並びにターゲット特異性癌医薬との相乗効果について、有用性が認められつつある。例えば、SAHAとキナーゼ/cdkインヒビターのフラボピリドールとについて(Alemenara et al.Leukemia 16,1331‐1343,2002)、CML細胞におけるLAQ‐824とbcr‐ablキナーゼインヒビターのグリベックとについて(Nimmanapalli et al.Cancer Res.63,5126‐5135,2003)、そしてSAHA及びトリコスタチンA(TSA)とエトポシド(VP16)、シスプラチン及びドキソルビシンとについて(Kim et al.Cancer Res.63,7291‐7300,2003)、そしてLBH589とhsp90インヒビターの17‐アリル‐アミノ‐デメトキシ‐ゲルダナマイシン(17‐AAG;George et al.Blood online,Oct.28,2004)について相乗作用が示されている。また、HDAC阻害は、乳癌細胞及び前立腺癌細胞におけるエストロゲン受容体又はアンドロゲン受容体の再発現を引き起こすことから、これらの腫瘍を抗ホルモン治療に再感作させる可能性が示されている(Yang et al.Cancer Res.60,6890‐6894,2000;Nakayama et al.Lab Invest 80,1789‐1796,2000)。]
[0009] 種々の化学種由来のHDACインヒビターは、4つの最も重要な分類、すなわち(i)ヒドロキサム酸類似体、(ii)ベンザミド類似体、(iii)環状ペプチド/ペプトライド、及び(iv)脂肪酸類似体に大別されて文献に記載されている。近年、既知のHDACインヒビターについての総括的な概要がMillerらによって発表された(J Med Chem 46,5097‐5116,2003)。HDACの特異性に関する公表データはごく限られている。一般に、ほとんどのヒドロキサメート系HDIは、クラスIとIIのHDAC酵素に関して特異性ではない。例えば、TSAは、HDAC1、3、4、6及び10をIC50値約20nMで阻害する一方、HDAC8についてはIC50=0.49μMである(Tatamiya et al,AACRAnnual Meeting 2004,Abstract #2451)。しかし、クラスII酵素HDAC6に選択的な実験用HDIであるツバシンのように例外も存在する(Haggarty et al.Procnatl Acad Sci USA 100,4389‐4394,2003)。また、ベンザミド系HDIのクラスI選択性についてもデータがあがってきている。MS‐275は、クラスIのHDAC1とHDAC3を、それぞれIC50=0.51μM及び1.7μMで阻害した。それに対して、クラスIIのHDAC4、6、8及び10は、それぞれ>100μM、82.5μM、及び94.7μMのIC50値で阻害された(Tatamiya et al,AACR Annual Meeting 2004,Abstract #2451)。今までのところ、HDACクラスI又はIIの酵素、又は所定の1つのアイソエンザイムに対する特異性が、治療効率及び治療指標として優れているかどうかは明らかではない。]
[0010] HDACインヒビター、すなわちSAHA(Merck Inc.)、バルプロ酸、FK228/デプシペプチド(Gloucester Pharmaceuticals/NCI)、MS275(Berlex‐Schering)、NVP LBH‐589(Novartis)、PXD‐101(Topotarget/Curagen)、MGCD0103(Methylgene Inc.)及びピバロイルオキシメチルブチレート/ピバネックス(Titan Pharmaceuticals)を用いて、癌の臨床研究が進められている。近年、末梢T細胞リンパ腫の患者におけるFK228/デプシペプチドを用いての部分応答と完全応答(Plekarz et al.Blood,98,2865‐2868,2001)、及びびまん性大B細胞リンパ腫の患者におけるSAHAを用いての部分応答と完全応答(Kelly et al.J.Clin.Oncol.23,3923‐3931,2005)によって脚光を浴びた臨床での有効性は前記の研究によって最初に立証された。]
[0011] また最近の発表では、癌とは異なる疾病におけるHDACインヒビターの医学的用途の可能性が示唆されている。これらの疾病には、例えば、全身性エリテマトーデス(Mishra et a.J Clin Invest 111,539‐552,2003;Reilly et al.J.Immunol.173,4171‐4178,2004)、リウマチ様関節炎(Chung et al.Mol Therapy 8,707‐717,2003;Nishida et al.Arthritis & Rheumatology 50,3365‐3376,2004)、炎症性疾患(Leoni et al.Proc Natl Acad Sci USA 99,2995‐3000,2002)、及び神経変性疾患、例えばハンチントン病(Steffan et al.Nature 413,739‐743,2001;Hockly et al.Proc Natl Acad Sci USA 100(4):2041‐6,2003)が含まれる。]
[0012] 癌化学療法は、無制御に増殖し、かつ有糸分裂期の細胞の比率が高い癌細胞を選択的に死滅させるというコンセプトに基づいて確立されている。標準的な癌化学療法剤は、基本的な細胞プロセス及び細胞内分子、すなわちRNA/DNA(アルキル化剤及びカルバミル化剤、プラチン類似体及びトポイソメラーゼインヒビター)、代謝(このクラスの薬剤は代謝拮抗薬と呼ばれる)、並びに有糸分裂紡錘体装置(チューブリンインヒビターの安定化及び脱安定化)を標的として、プログラム細胞死(“アポトーシス”)を誘導し、ついには癌細胞を死滅させる。HDACインヒビター(HDI)は、分化活性とアポトーシス誘発活性を有する抗癌剤の新たな一角をなす。腫瘍抑制遺伝子の再活性化と発癌遺伝子の抑制によって実証されているように、HDIはHDACをターゲットとして、複雑な転写の再プログラミングを含むヒストン(タンパク質)アセチル化及びクロマチン構造に作用する。コアヒストンタンパク質中のN末端リシン残基のアセチル化に作用する以外に、ヒートショックプロテイン90(Hsp90)又はp53腫瘍抑制タンパク質のような非ヒストン性ターゲットも癌細胞生物学に重要である。炎症性疾患、リウマチ様関節炎及び神経変性のモデルにおいても有効であることが見出されており、HDIの医学用途は癌療法に止まらない可能性がある。]
[0013] ベンゾイル又はアセチルで置換されたピロリルプロペンアミドは、刊行文献にHDACインヒビターとして記載されているが、そのアシル基の結合は、ピロール骨格の2位又は3位である(Mai et.al.,Journal Med.Chem.2004,Vol.47,No.5,1098‐1109;又は、Ragno et al.,Journal Med.Chem.2004,Vol.47,No.5,1351‐1359)。さらにピロリル置換されたヒドロキサム酸誘導体は、US4960787ではリポキシゲナーゼインヒビターとして、或いはUS6432999ではシクロオキシゲナーゼインヒビターとして記載されている。]
[0014] HDACインヒビターとされる種々の化合物が、WO01/38322;Journal Med.Chem.2003,Vol.46,No.24,5097‐5116;Journal Med.Chem.2003,Vol.46,No.4,512‐524;Journal Med.Chem.2003,Vol.46,No.5,820‐830;及びCurrent Opinion Drug Discovery 2002,Vol.5,487‐499に報告されている。]
[0015] 当該技術分野に残された、新規で耐容性良好で、より効果的なHDACインヒビターに対する要望に応じて、WO2006/097474には、従来化合物と大きく異なり、かつ特に有利な驚くべき性質を有する効果的なHDACインヒビターである、新規N‐スルホニルピロル誘導体が記載されている。]
[0016] 前記のN‐スルホニルピロル誘導体には、(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩酸塩が例示されている。]
[0017] しかしながら、WO2006/097474に開示された化合物には、相対的に溶解性が低く、かつ/又は吸湿性が高いという欠点がある。]
[0018] 発明の説明
本発明の第一の観点によれば、以下に詳細に記載される、合成された新規の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩は、該化合物の遊離塩基より優れた溶解性を驚くほど示し、かつWO2006/097474に記載された(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩酸塩よりも高い安定性を有する。前記の塩には異なる多形相があり、薬剤物質のより高いバイオアベイラビリティの実現につながり得る。]
[0019] 従って、本発明は、第一の観点に記載の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの所定の塩に関し、該塩は既知の塩酸塩と比べて、改善された溶解性とより低い吸湿性によって特徴づけられる。]
[0020] さらなる観点において、本発明は、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、ヘミエタン‐1,2‐ジスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩及び2‐ナフタレンスルホン酸塩からなる群から選ばれる(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩に関する。]
[0021] 本発明の特に好ましい観点は、(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエンスルホン酸塩である。前記の塩は、既知の塩酸塩と比較して、向上された安定性並びに高い溶解性を有するのに加え、特に高い溶解速度を有することが予期せず見出されたことから、生体内での薬物動態特性が優れていることが予想される。]
[0022] 発明の第三の観点において、本発明は(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、ヘミエタン‐1,2‐ジスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩及び2‐ナフタレンスルホン酸塩のそれぞれ所定の多形に関し、該多形は個々の粉末X線回折図と、特に該粉末X線回折図の主要ピークによって特徴づけられる。]
図面の簡単な説明

[0023] 図1は、部分的にアモルファスの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドのXRPDパターンを示す。
図2は、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド、多形AのXRPDパターンを示す。
図3は、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド、多形BのXRPDパターンを示す。
図4は、(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド一塩酸塩のXRPDパターンを示す。
図5は、(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド二塩酸塩のXRPDパターンを示す。
図6は、部分的にアモルファスの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドメタンスルホン酸塩のXRPDパターンを示す。
図7は、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド メタンスルホン酸塩のXRPDパターンを示す。
図8は、(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドヘミエタン‐1,2‐スルホン酸塩のXRPDパターンを示す。
図9は、(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドベンゼンスルホン酸塩のXRPDパターンを示す。
図10は、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエン‐4‐スルホン酸塩、多形AのXRPDパターンを示す。
図11は、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド トルエン‐4‐スルホン酸塩、多形BのXRPDパターンを示す。
図12は、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド トルエン‐4‐スルホン酸塩、多形CのXRPDパターンを示す。
図13は、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド トルエン‐4‐スルホン酸塩、多形DのXRPDパターンを示す。
図14は、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド トルエン‐4‐スルホン酸塩、多形EのXRPDパターンを示す。
図15は結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド トルエン‐4‐スルホン酸塩、多形FのXRPDパターンを示す。
図16は、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド トルエン‐4‐スルホン酸塩、多形GのXRPDパターンを示す。
図17は、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド トルエン‐4‐スルホン酸塩、多形HのXRPDパターンを示す。
図18は、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドナフタレン‐2‐スルホン酸塩、多形A+BのXRPDパターンを示す。
図19は、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド ナフタレン‐2‐スルホン酸塩、多形A+BのXRPDパターンを示す。
図20は、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド ナフタレン‐2‐スルホン酸塩、多形CのXRPDパターンを示す。] 図1 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図18
[0024] 発明実施のための最良の形態
本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩は、該化合物の遊離塩基を、所望の酸を含むか、或いは所望の酸を後から添加した適切な溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトンのようなケトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサンのようなエーテル、塩化メチレン又はクロロホルムのような塩素化炭化水素、又は、メタノール、エタノール又はイソプロパノールのような低分子量脂肪族アルコール)に溶かすことによって得ることができる。該塩は、濾過、再沈殿、非溶剤を用いた付加塩の沈殿、又は溶媒を蒸発させることにより得られる。得られた塩はアルカリ化、又は酸性化によって遊離の化合物に変換することができ、ひいては別の塩へと変換することもできる。この方法によって、薬学的に耐容性のない塩は耐容性の塩に変換することが可能である。]
[0025] 滴定やNMR法のような従来知られた手段によって決定される、前記の塩に含まれる個々の酸性アニオンの量は、用いた反応条件に応じて前記の遊離塩基の約0.1〜約5モル当量の範囲内になり得、より正確には約0.3〜約3モル当量、より正確には約0.6〜約2.4モル当量となり得る。]
[0026] (E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩の結晶は、有機溶媒(例えば、メタノール又はエタノールのようなアルコール、又はアセトンのようなケトン)又は有機溶媒の混合物を含有する溶液中で、又は該有機溶媒と水との混合物からなる溶液中で、又は水中で、いずれかの多形又はその混合物に酸を加えて結晶化又は再結晶化させる工程を含む方法によって得ることができる。]
[0027] 多形体は当該技術分野で知られている多くの方法によって得ることができる。そのような方法には、これに制限されるものではないが、溶媒(再)結晶化、非溶剤を用いた沈殿、急速な蒸発、遅い蒸発、急冷、徐冷などが含まれる。溶媒和物、特に本発明の塩の水和物は、それ自体既知の方法によって(例えば適切な溶媒の存在下において)製造することができる。水和物は、水又は水と極性有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、又はイソプロパノール、又はケトン、例えばアセトン)との混合物から得られる。本発明の塩は、あらゆる溶媒和物とそれから生じる水和物、及びあらゆる結晶体、半結晶体及びアモルファス体を含む。一般に、結晶体が好ましい。]
[0028] 以下の実施例により本発明をさらに説明するが、これらは本発明を制限するものではない。]
[0029] 以下のXRPD(X線粉末回折)測定を、透過率(U=40kV、I=30mA、Cu‐Kα)で行った。]
[0030] (E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド
部分的アモルファス
3.82gの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドを水38mLに懸濁し、2.7mLのアンモニア水溶液(25%)を添加した。前記の懸濁液を1時間撹拌し、濾過した。前記の濾過ケーキを19mLの水で洗浄し、乾燥させた。オフホワイトの固体(3.09g)が得られた。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表1にまとめ、かつ図1に示した。] 図1
[0031] 表1:以下のピークを含む、部分的にアモルファスの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドのXRPDパターン(相対強度>10)]
[0032] ]
[0033] 結晶性多形体A
10.0gの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド二塩酸塩(19.2mmol)をTHF300mlとNa2CO3水溶液(8%)375mlの混合液と処理した。液相を分離させ、THF100mlで抽出した。この一体となっている有機相を235mlの水で処理し、混合液の有機部分を蒸発させた。これによって、茶色がかった固体として遊離塩基が分離する。前記の水溶液をデカントして除き、その残留物をTHF120ml中に溶解させ、100gシリカゲル‐60(Merck)に吸着させ、シリカゲル‐60(Merck)470gとクロマトグラフィーにかけ、残留化合物をCHCl3/MeOH(20:1)に溶出させた。複数の分画を含む、前記の生成物を慎重に蒸発させた。6.00gの無色の固体を得た。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表2にまとめ、かつ図2に示した。] 図2
[0034] 表2:以下のピークを含む、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド、多形AのXRPDパターン(相対強度>10)]
[0035] ]
[0036] 結晶性多形体B
20.0gの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド二塩酸塩を水100mLとエタノール100mLに懸濁した。アンモニア水溶液(25%)8.7mLを添加し、懸濁液を1時間撹拌した。前記の懸濁液を濾過し、その濾過ケーキを100mLの水で洗浄し、乾燥させた。オフホワイトの固体(8.8g)が得られた。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表3にまとめ、かつ図3に示した。] 図3
[0037] 表3:以下のピークを含む、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド、多形BのXRPDパターン(相対強度>10)]
[0038] ]
[0039] (E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド一塩酸塩
温めたメタノール20ml中、(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド(0.50mmol)225mgに対し、(4mLの4NHCl水溶液にメタノールを添加し、終量100mL=0.016mmol/mLにした)HCl/メタノール溶液(3.13mL、0.05mmol)を滴下して加えた。直ちに、黄色がかった油が分離した。ジエチルエーテル(10mL)を加えることによって、分離が完了した。得られた固体を一晩乾燥させた。収量:248mg(102%);黄色がかった固体;融点:150‐164℃、分解(sinter.)。得られた化合物は、モル比で0.91のHClを含有した。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表4にまとめ、かつ図4に示した。] 図4
[0040] 表4:以下のピークを含む、(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド一塩酸塩のXRPDパターン(相対強度>10)]
[0041] ]
[0042] (E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド二塩酸塩
5.0gの[2‐((E)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミノ)‐フェニル]‐カルバミン酸tert‐ブチルエステルを、THF90mlと水7.5mLに懸濁した。塩酸水溶液(37%)7.5mLを添加し、懸濁液を60℃で4時間撹拌した。室温に冷却後、前記の懸濁液を濾過し、濾過ケーキを20mLのTHFで洗浄して乾燥させた。オフホワイトの固体(3.7g)が得られた。その化合物は、モル比で1.82のHClを含有した。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表5にまとめ、かつ図5に示した。] 図5
[0043] 表5:以下のピークを含む、(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド二塩酸塩のXRPDパターン(相対強度>10)]
[0044] ]
[0045] (E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド臭化水素酸塩
THF4ml中、0.21gの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドに対し、THF4mlに0.169molの48%‐HBr(169μL,1.5mmol)を含む溶液を滴下して加えた。固体が分離し、それをジエチルエーテルで処理した。得られた結晶性固体を分離させ、一晩乾燥させた。収量:287mg(100%);融点:200℃、分解(sinter.)。前記の化合物は、モル比で1.86のHBrを含有した。]
[0046] (E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドメタンスルホン酸塩
部分的アモルファス
(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド500mg、水10ml及びメタノール1mlを130℃に加熱した。メタンスルホン酸0.435mlを添加した。前記の混合物はほとんど溶解した。次いで、前記の混合物を直ちに冷却槽で冷却した。冷却している間に、茶色がかった固体が分離した。前記の混合物を超音波で処理した。続いて、得られた固体を回収し、乾燥させた。該固体の遊離塩基とメタンスルホン酸のモル比は、1:0.95だった。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表6にまとめ、かつ図6に示した。] 図6
[0047] 表6:以下のピークを含む、部分的にアモルファスの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドメタンスルホン酸塩のXRPDパターン(相対強度>10)]
[0048] ]
[0049] 結晶体
(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド250g、水5ml、メタノール0.5ml、及び0.112mlメタンスルホン酸を130℃に10分加熱した。外気温で一晩撹拌した後、固体を回収し、乾燥させた。該固体の遊離塩基とメタンスルホン酸のモル比は、1:0.66だった。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表7にまとめ、かつ図7に示した。] 図7
[0050] 表7:以下のピークを含む、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドメタンスルホン酸塩のXRPDパターン(相対強度>10)]
[0051] ]
[0052] (E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドヘミエタン‐1,2‐スルホン酸塩
1.00gの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドを水20mlに懸濁させた。懸濁液に、水5mlに512mgのエタンジスルホン酸水和物を溶かしたものを添加し、18時間撹拌した。懸濁液を濾過し、乾燥させた。オフホワイトの固体(1.09g)が得られた。該固体の遊離塩基とエタンスルホン酸のモル比は、1:0.5だった。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表8にまとめ、かつ図8に示した。] 図8
[0053] 表8:以下のピークを含む、(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドヘミエタン‐1,2‐スルホン酸塩のXRPDパターン(相対強度>10)]
[0054] ]
[0055] (E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドベンゼンスルホン酸塩
1.65gの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドを水30mlに懸濁させ、642mgのベンゼンスルホン酸を添加した。懸濁液を26時間撹拌した後、濾過し、乾燥させた。オフホワイトの固体(2.04g)が得られた。該固体の遊離塩基とベンゼンスルホン酸のモル比は、1:0.99だった。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表9にまとめ、かつ図9に示した。] 図9
[0056] 表9:以下のピークを含む、(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドベンゼンスルホン酸塩のXRPDパターン(相対強度>10)]
[0057] ]
[0058] (E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエン‐4‐スルホン酸塩
結晶性多形体A
5.0gの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドをメタノール150mlに懸濁させ、p‐トルエンスルホン酸水和物2.38gを添加した。この溶液を1時間撹拌し、ハイフロー(hyflow)で濾過した。濾液を真空中で濃縮させて50mlにし、2時間撹拌した。得られた沈澱を濾過し、乾燥させた。オフホワイトの固体(5.4g)として、多形体Aを得た。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表10にまとめ、かつ図10に示した。] 図10
[0059] 表10:以下のピークを含む、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエン‐4‐スルホン酸塩、多形AのXRPDパターン(相対強度>10)]
[0060] ]
[0061] 結晶性多形体B
100.0gの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドをイソプロパノール800mLに懸濁させた。イソプロパノール200mLにp‐トルエンスルホン酸水和物46.8gを含む溶液を添加し、懸濁液を22時間撹拌した。懸濁液を濾過し、乾燥させてオフホワイトの固体(139.4g)として多形体Bを得た。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表11にまとめ、かつ図11に示した。] 図11
[0062] 表11:以下のピークを含む、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエン‐4‐スルホン酸塩、多形BのXRPDパターン(相対強度>10)]
[0063] ]
[0064] ]
[0065] 結晶性多形体C
1.0gの多形体Bの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエン‐4‐スルホン酸塩をメタノール10mLに懸濁させ、60℃で48時間撹拌した。懸濁液を室温に冷却し、濾過し、乾燥させた。オフホワイトの固体(825mg)として、多形体Cを得た。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表12にまとめ、かつ図12に示した。] 図12
[0066] 表12:以下のピークを含む、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエン‐4‐スルホン酸塩、多形CのXRPDパターン(相対強度>10)]
[0067] ]
[0068] 結晶性多形体D
5.0gの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドをMIBK75mlに懸濁させ、p‐トルエンスルホン酸水和物2.34gを添加した。懸濁液を4時間撹拌し、濾過し、乾燥させた。オフホワイトの固体(6.6g)として、多形体Dを得た。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表13にまとめ、かつ図13に示した。] 図13
[0069] 表13:以下のピークを含む、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエン‐4‐スルホン酸塩、多形DのXRPDパターン(相対強度>10)]
[0070] ]
[0071] 結晶性多形体E
1.0gの多形体Bの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエン‐4‐スルホン酸塩をメタノール9mLと水1mL中に懸濁させ、室温で24時間撹拌した。懸濁液を濾過し、乾燥させた。オフホワイトの固体(826mg)として、多形体Eを得た。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表14にまとめ、かつ図14に示した。] 図14
[0072] 表14:以下のピークを含む、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエン‐4‐スルホン酸塩、多形EのXRPDパターン(相対強度>10)]
[0073] ]
[0074] ]
[0075] 結晶性多形体F
200gの多形体Aの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエン‐4‐スルホン酸塩をエチルメチルケトン1.8mLと水0.2mL中に懸濁させ、18時間撹拌した。懸濁液を濾過し、乾燥させた。オフホワイトの固体(101mg)として、多形体Fを得た。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表15にまとめ、かつ図15に示した。] 図15
[0076] 表15:以下のピークを含む、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエン‐4‐スルホン酸塩、多形FのXRPDパターン(相対強度>10)]
[0077] ]
[0078] 結晶性多形体G
1.00gの多形体Cの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエン‐4‐スルホン酸塩をアセトン9mLと水1mL中に懸濁させ、24時間撹拌した。懸濁液を濾過し、乾燥させた。オフホワイトの固体(867mg)として、多形体Gを得た。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表16にまとめ、かつ図16に示した。] 図16
[0079] 表16:以下のピークを含む、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエン‐4‐スルホン酸塩、多形GのXRPDパターン(相対強度>10)]
[0080] ]
[0081] 結晶性多形体H
7.0gの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド(15.6mmol)を、アセトンと水を5:1で含む混合物126mlに懸濁させた。全物質が溶けるまで懸濁液を加熱還流した。この熱溶液をガラス繊維フィルターで濾過し、フィルターを加熱した前記の混合物からなる溶媒4mLで洗浄した。濾液を一つに合わせ、この溶媒107mlを真空中で蒸留したところ、遊離塩基が再結晶化した。この沈殿物を濾過し、乾燥させずに用いた。]
[0082] 室温で、含水量42%の12.0gの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド(遊離塩基、15.6mmol)を2‐プロパノール53mlと水107mlの混合液中に懸濁させた。p‐トルエンスルホン酸水和物(18.8mmol)3.6gを2‐プロパノール32mlと水8ml中に溶かした。この溶液を、1時間以上かけて前記の遊離塩基の懸濁液に滴下して加えた。懸濁液を室温でさらに3日間撹拌した。沈殿物を濾し取り、結晶化に用いた前記の溶媒混合液5mlで洗浄し、真空中、40℃で18時間乾燥させた。収量:9.43g;カール・フィッシャー滴定法による含水量:2.7%。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表17にまとめ、かつ図17に示した。] 図17
[0083] 表17:以下のピークを含む、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエン‐4‐スルホン酸塩、多形HのXRPDパターン(相対強度>10)]
[0084] ]
[0085] (E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドナフタレン‐2‐スルホン酸塩
結晶性多形体A+B
2.00gの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドをイソプロパノール40mLに懸濁させた。ナフタレン‐2‐スルホン酸(70%)1.46gを添加し、懸濁液を24時間撹拌した。懸濁液を濾過し、濾過ケーキをイソプロパノール20mLで洗浄して乾燥させた。オフホワイトの固体(2.72g)を得た。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表18にまとめ、かつ図18に示した。] 図18
[0086] 表18:以下のピークを含む、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドナフタレン‐2‐スルホン酸塩、多形A+BのXRPDパターン(相対強度>10)]
[0087] ]
[0088] 結晶性多形体A+B
2.00gの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドをイソプロパノール40mLに懸濁させた。ナフタレン‐2‐スルホン酸(70%)1.46gを添加し、懸濁液を21時間撹拌した。懸濁液を濾過し、乾燥させた。オフホワイトの固体(2.82g)を得た。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表19にまとめ、かつ図19に示した。] 図19
[0089] 表19:以下のピークを含む、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドナフタレン‐2‐スルホン酸塩、多形A+BのXRPDパターン(相対強度>10)]
[0090] ]
[0091] ]
[0092] 結晶性多形体C
1.00gの(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドをメタノール15mLに懸濁させた。ナフタレン‐2‐スルホン酸(70%)1.46gを添加し、懸濁液を濾過した。濾液に種晶を添加し、懸濁液を1時間撹拌した。懸濁液を濾過し、乾燥させた。オフホワイトの固体(1.28g)を得た。
この塩のX線粉末回折パターンの特徴的なピークを、実質的に表20にまとめ、かつ図20に示した。] 図20
[0093] 表20:以下のピークを含む、結晶性(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドナフタレン‐2‐スルホン酸塩、多形CのXRPDパターン(相対強度>10)]
[0094] ]
[0095] 産業上利用性
本発明による(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩は、有用な薬理学的特性及び作用を有し、それゆえ産業上の応用が可能である。例えば、ヒストンヒストンデアセチラーゼ活性とその機能の阻害に関する特性に基づいて、前記の塩は産業上利用性を有する。]
[0096] “ヒストンデアセチラーゼ”(HDAC)は、基質タンパク質中のリシン残基のε−アセチル基に対して活性を有する酵素を意味する。HDACの基質は、ヒストンタンパク質H2A、H2B、H3又はH4、及びイソ型であるが、ヒストンとは異なるタンパク質基質、例えばこれらに制限されるものではないが、ヒートショックプロテイン90(Hsp90)、チューブリン又は腫瘍抑制タンパク質p53が存在する。特に、ヒストンデアセチラーゼは、これらの基質タンパク質内のリシン残基のε‐アセチル基の加水分解を触媒し、リシンの遊離アミノ基を形成する。]
[0097] 本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩によるヒストンデアセチラーゼの阻害は、1種以上のHDACアイソエンザイムの活性及び機能を阻害することを意味し、特にこのアイソエンザイムは、これまでに知られているヒストンデアセチラーゼであるHDAC1、2、3及び8(クラスI)、HDAC4、5、6、7、10(クラスII)、HDAC11、並びにNDA+依存性のクラスIII(Sir2ホモログ)から選択される。いくつかの好ましい実施態様において、この阻害は、少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは約90%である。好ましくは、この阻害は、特定のヒストンデアセチラーゼのクラス(例えば、HDACクラスI酵素)や、病態生理学的に最も関連性の高いアイソエンザイムの選択(例えばHDAC1,2,3酵素)、又は単独のアイソエンザイム(例えばHDAC1酵素)に特異的である。従って、本発明の意味におけるヒストンデアセチラーゼインヒビターは、ヒストンデアセチラーゼと相互作用が可能であり、かつその活性、特に酵素活性を阻害可能な化合物である。この文脈において、“ヘッドグループ”とは、ヒストンデアセチラーゼインヒビター内の残基であって、酵素の活性部位、例えばZn2+イオンと相互作用することを担う残基を意味する。]
[0098] ヒストンデアセチラーゼの阻害は、種々の様式かつ種々の生物種由来の酵素活性の生化学アッセイで決定される。HDAC活性は、核抽出物又は細胞抽出物から得られるか、又は大腸菌、昆虫細胞又は哺乳類細胞中で規定のHDACアイソエンザイムを異種発現させることによって得られる。HDACアイソエンザイムは、複数タンパク質からなる複合体で活性を有し、ホモダイマーとヘテロダイマーを形成するので、ヒトの癌細胞(例えばヒトの子宮頸癌細胞系HeLa)から得られた核抽出物が好ましい。これらの核抽出物は、クラスIとクラスIIの酵素を含有するが、クラスI酵素に富んでいる。組換えHDACアイソエンザイムの発現のためには、HEK293細胞のような哺乳動物発現系が好ましい。HDACアイソエンザイムは、FLAGエピトープのようなアフィニティータグとの融合タンパク質として発現される。タグ付けされたタンパク質は、単独で又は内因性タンパク質(例えば他のHDACアイソエンザイム及びコアクチベーター/プラットフォームタンパク質)との複合体で、アフィニティークロマトグラフィーによって精製される。このような生化学アッセイは、多くの文献に記載され、かつ当業者に周知である。基質としては、ヒストンタンパク質、ヒストンタンパク質から得られるペプチド、又は他のHDAC基質並びにアセチル化されたリシンミメティックスが使用される。好ましくは、酵素と広い反応性を示すHDAC基質は、7‐アミノメチルクマリン(AMC)蛍光色素分子と結合したトリペプチドAc‐NH‐GGK(Ac)である。]
[0099] 本発明はさらに、細胞及び組織におけるヒストンデアセチラーゼ活性を阻害し、基質タンパク質の過剰アセチル化を引き起こし、かつその機能の結果として、例えば遺伝子発現の誘導又は抑制、タンパク質分解の誘導、細胞周期の停止、分化の誘発及び/又はアポトーシスの誘発を引き起こすための、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩の使用に関する。]
[0100] ヒストンデアセチラーゼインヒビターの細胞内活性は、ヒストンデアセチラーゼ阻害に関連するあらゆる細胞性効果、特にタンパク質過剰アセチル化、転写抑制及び転写活性化、アポトーシス、分化及び/又は細胞毒性の誘導を含む。]
[0101] 用語“アポトーシスの誘導”とその類似の語は、接触した細胞においてプログラム細胞死を引き起こす化合物を同定するのに使用される。“アポトーシス”は、接触した細胞内での複雑な生化学的事象、例えばシステイン特異的プロテイナーゼ(“カスパーゼ”)の活性化及びクロマチンの断片化によって定義される。該化合物と接触した細胞におけるアポトーシスの誘導は、必ずしも細胞増殖又は細胞分化の阻害と結びつかないこともあり得る。増殖、分化の誘導及び/又はアポトーシスの誘導は、好ましくは、異常細胞増殖を伴う細胞に特異的である。]
[0102] 一般に“細胞毒性”は、哺乳動物細胞、特にヒトの癌細胞において、インビトロで増殖を停止させること及び/又はアポトーシス性細胞死を誘導することを意味する。]
[0103] “分化の誘導”は、可逆的又は不可逆的なG0での細胞周期停止と、ある分化した正常細胞型又は組織に特有の遺伝子サブセットの再発現(例えば乳癌細胞での乳脂肪タンパク質及び脂肪の再発現)とに導く、細胞の再プログラミングのプロセスを意味する。]
[0104] 一般に“細胞毒性”は、哺乳動物細胞、特にヒトの癌細胞において、インビトロで増殖を停止させること及び/又はアポトーシス性細胞死を誘導することを意味する。]
[0105] 細胞増殖、アポトーシス又は分化の定量アッセイは、最先端の専門家に周知である。例えば、細胞増殖と結びついている代謝活性は、Alamar Blue/Resazurinアッセイ(O'Brian et al.Eur j Biochem 267,5421‐5426,2000)を用いて定量され、かつアポトーシスの誘導は、ロシェ社により販売される細胞死検出ELISAを用いてクロマチン断片化を測定することによって定量される。HDAC基質の過剰アセチル化測定のための細胞アッセイの例としては、特異的抗体を用いたウェスタンブロットによるコアヒストンアセチル化の測定、各反応性プロモーター又はプロモーターエレメント(例えばp21プロモーター又は反応性エレメントとしてのsp1部位)を用いたレポーター遺伝子アッセイ、又は最後に、コアヒストンタンパク質のアセチル化特異的な抗体を用いた画像解析が挙げられる。]
[0106] 本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩は、その応答性の疾病、例えば、以下に挙げる任意の疾病の治療又は予防に有用と見込まれるHDAC阻害活性、抗増殖活性及び/又はアポトーシス誘導活性ゆえに産業上利用可能である。]
[0107] 本発明はさらに、細胞新形成の治療、改善又は予防のための方法であって有効量の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩をかかる治療が必要な哺乳動物、特にヒトに投与することによる方法に関する。“新形成”は、異常な細胞増殖及び/又は細胞生存及び/又は分化阻害を示す細胞と規定される。新形成という用語は、侵攻性で転移する腫瘍をインビボで形成できない細胞の過剰増殖を意味する“良性新形成”と、反対に、例えば離れた器官に腫瘍を転移形成するなどの全身性疾病を引き起こしうる、多くの細胞性及び生化学的な異常性を有する細胞によって説明される“悪性新形成”を含む。]
[0108] 本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩は、特に、離れた器官又は組織に最終的に転移する腫瘍細胞に特徴付けられる悪性新形成(癌とも記載される)の治療に使用できる。本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩を用いて治療される悪性新形成の例には、固形腫瘍と血液学的腫瘍が含まれる。固形腫瘍は、胸部、膀胱、骨、脳、中枢神経系及び末梢神経系、結腸、内分泌腺(例えば甲状腺及び副腎皮質)、食道、子宮内膜、生殖細胞、頭部及び頚部、腎臓、肝臓、肺、喉頭及び下咽頭の腫瘍、中皮腫、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、腎臓、小腸、軟部組織、精巣、胃、皮膚、尿管、膣及び肛門の腫瘍によって例示される。悪性新形成は、網膜芽腫及びウィルムス腫瘍によって例示される遺伝性癌を含む。更に、悪性新形成は、前記の器官における一次腫瘍と別の器官における相応の二次腫瘍(“腫瘍転移”)を含む。血液学的腫瘍は、白血病及びリンパ腫の進行性形及び無痛性形、すなわち非ホジキン病、慢性及び急性の骨髄性白血病(CML/AML)、急性のリンパ芽球性白血病(ALL)、ホジキン病、多発性骨髄腫及びT細胞リンパ腫によって例示される。また骨髄異形成症候群、形質細胞新形成、経産婦腫瘍性症状、未知の原発部位の癌並びにAIDS関連悪性疾患が含まれる。]
[0109] 癌疾患並びに悪性新形成において、離れた器官への転移形成を必ずしも要しないことに留意すべきである。ある種の腫瘍は、侵攻性の増殖特性によって最初の器官に壊滅的な打撃をもたらす。これらの腫瘍は、最終的には器官の機能不全に至るような、組織及び器官の構造の破壊を引き起こし得る。]
[0110] 腫瘍細胞増殖は、正常な細胞挙動及び器官の機能を生じさせることもある。例えば、新生血管の形成(血管新生として記載される過程)は、腫瘍又は腫瘍転移によって誘発される。本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩は、良性又は腫瘍性の細胞増殖によって引き起こされる病態生理学的な関連過程、例えばこれに制限されるものではないが、血管内皮細胞の非生理学的増殖による血管新生の治療に産業上利用性を有する。]
[0111] 標準的な癌療法でしばしば起こる不具合については、薬剤耐性が特に重要である。この薬剤耐性は、種々の細胞性及び分子性の機構、例えば薬剤流出ポンプの過剰発現、又は細胞内の標的タンパク質や染色体転座によって形成される融合タンパク質内の突然変異によって引き起こされる。本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩の産業上利用可能性は、患者の第一選択治療に限定されるものではない。癌化学療法薬又は標的特異的な抗癌剤に耐性を有する患者も、例えば第二又は第三選択治療サイクルのために前記の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩を用いた治療で寛解されうる。レチノイドを用いた標準的な治療法に耐性である、PML‐RARα融合タンパク質を有する急性前骨髄球性白血病患者がその顕著な一例である。本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩のようなHDACインヒビターを用いた治療によって、これらの患者はレチノイドに対して再感作されうる。]
[0112] 更に、本発明は、細胞性新形成とは異なる、ヒストンデアセチラーゼインヒビター治療に感受性の疾病を有する哺乳動物、特にヒトの治療方法において、前記の哺乳動物に薬学的に活性、かつ治療上有効で許容される量の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩を投与することを含む、前記の方法を提供する。これらの非悪性疾患には、
(i)関節症及び骨病理学的疾患、例えばリウマチ様関節炎、変形性関節症、痛風、多発関節炎及び乾癬性関節炎、
(ii)全身性エリテマトーデス及び移植拒絶反応のような自己免疫疾患、
(iii)過剰増殖性疾患、例えば乾癬、又は血管増殖疾患、アテローム性動脈硬化症及び再狭窄のような平滑筋細胞増殖、
(iv)急性及び慢性の炎症症状及び皮膚疾患、例えば潰瘍性結腸炎、クローン病、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎、嚢胞性線維症、慢性気管支炎及び喘息、
(v)子宮内膜症、子宮類線維腫、子宮内膜増殖症及び良性前立腺肥大症、
(vi)心不全、
(vii)HIV感染症のような免疫抑制状態の阻害、
(viii)パーキンソン病、アルツハイマー病又はポリグルタミン関連疾患のような神経病理学的な疾患、
(ix)内因性遺伝子の発現増強並びに遺伝子治療における導入遺伝子の発現増強により寛解されうる病態
が含まれる。]
[0113] 本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩は、前記の良性又は悪性挙動の疾病、例えば(過剰)増殖性疾患及び/又はアポトーシスの誘導に応答性の疾患及び/又は細胞分化に反応性の疾患(例えば良性又は悪性の新形成、特に癌、例えば前記の癌疾患のいずれか)を治療、予防又は改善するために産業上利用されうる。]
[0114] 本願に挙げられる特性、機能及び有用性との関連において、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩は、それらと関連する有用かつ所望の効果、例えば低い毒性、総じて優れたバイオアベイラビリティ(例えば良好な腸内吸収)、優れた治療域、重い副作用を有しないこと、及び/又は治療的かつ製剤的な適性(例えば溶解挙動)についてさらに有利な効果の点で卓越していることが見込まれる。]
[0115] 本発明はさらに、前記の疾患の一つを罹患するヒトを含む哺乳動物の治療のための方法を包含する。該方法は、薬学的に活性で、かつ治療上有効かつ許容される量の1種以上の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩をかかる治療を必要とする被験体に投与することを含み、前記の塩はヒストンデアセチラーゼの阻害と、一般に、タンパク質アセチル化を変更することによって機能して、種々の細胞効果の誘導、特に遺伝子の誘導又は抑制、細胞増殖の停止、細胞分化の誘導、及び/又はアポトーシスの誘導を引き起こす。]
[0116] 更に本発明は、ヒストンデアセチラーゼ阻害に応答性又は感受性の疾病及び/又は疾患(特に前記の疾病、例えば細胞性新形成又は前記の細胞性新形成とは異なる疾病)を患う、ヒトを含む哺乳動物を治療するための方法において、薬学的に活性で、かつ治療上有効かつ許容される量の1種以上の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩を、それを必要とする哺乳動物に投与することからなる前記方法を包含する。]
[0117] 更に本発明は、前記の疾病、特に癌において、インビボで、タンパク質アセチル化、遺伝子発現、細胞増殖、細胞分化及び/又はアポトーシスを調節するのに有用な治療方法において、かかる治療を必要とする被験体に、薬学的に活性で、かつ治療上有効かつ許容される量の、ヒストンデアセチラーゼを阻害することによって機能する1種以上の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩を投与することを含む、前記方法を包含する。]
[0118] 更に本発明は、細胞と前記の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩とを接触させることによって、同種又は異種のプロモーター活性を調節するための方法を提供する。]
[0119] 更に本発明は、前記の疾病、疾患、病気及び/又は症状の治療及び/又は予防及び/又は改善のために使用される医薬組成物の製造のための、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩の使用に関する。]
[0120] 更に本発明は、ヒストンデアセチラーゼ阻害に応答性又は感受性の疾病及び/又は疾患(特に、例えば細胞性新形成又は前記の細胞性新形成とは異なる疾病のような前記の疾病)の治療及び/又は予防のために使用される医薬組成物の製造のための、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩の使用に関する。]
[0121] 更に本発明は、ヒストンデアセチラーゼ阻害活性を有する医薬組成物の製造のための、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩の使用に関する。]
[0122] 更に本発明は、良性又は悪性の新形成のような細胞性新形成(例えば癌)の抑制又は治療に使用される医薬組成物の製造のための、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩の使用に関する。]
[0123] 更に本発明は、異常細胞増殖の停止に反応性の疾病(例えば良性又は悪性挙動の(過剰)増殖性の疾病、例えば前記の疾病のいずれか、特に癌、例えば前記の癌疾患のいずれか)を治療、予防又は改善するために使用しうる医薬組成物の製造のための、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩の使用に関する。]
[0124] 更に本発明は、アポトーシスの誘導に反応性の疾患(例えば前記の疾病のいずれか、特に癌、例えば前記の癌疾患のいずれか)の治療、予防又は改善のために使用できる医薬組成物の製造のための、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩の使用に関する。]
[0125] 更に本発明は、分化の誘導に反応性の疾患(例えば前記の疾病のいずれか、特に癌、例えば前記の癌疾患のいずれか)の治療、予防又は改善のために使用しうる医薬組成物の製造のための、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩の使用に関する。]
[0126] 更に本発明は、良性又は悪性の新形成(特に癌、例えば前記の癌疾病のいずれか)の治療、予防又は改善のために使用しうる医薬組成物の製造のための、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩の使用に関する。]
[0127] 更に本発明は、細胞性新形成とは異なり、かつヒストンデアセチラーゼインヒビター治療に感受性の疾病(例えば前記の非悪性疾患)の治療に使用される医薬組成物の製造のための、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩の使用に関する。]
[0128] 更に本発明は、ヒストンデアセチラーゼ活性の阻害及びその機能的な結果に反応性の疾病の治療において、ヒストンデアセチラーゼ活性の阻害に使用される医薬組成物の製造のための、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩の使用に関する。]
[0129] 更に本発明は、哺乳動物、特にヒトの患者における前記の疾病、疾患、病気及び/又は症状を治療、予防又は改善のための方法において、薬学的に活性で、かつ治療上有効かつ許容される量の1種以上の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩を、それを必要とする前記の動物に投与することを含む前記方法に関する。]
[0130] 更に本発明は、疾病、特に前記の疾病の治療及び/又は予防において使用される、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩に関する。]
[0131] 更に本発明は、1種以上の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩と薬学的に許容される担体又は希釈剤を含有する医薬組成物に関する。]
[0132] 更に本発明は、1種以上の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩と薬学的に許容される助剤及び/又は賦形剤を含有する医薬組成物に関する。]
[0133] 更に本発明は、良性又は悪性挙動の(過剰)増殖性の疾病及び/又はアポトーシスの誘導に反応性の疾患(例えば良性又は悪性の新形成、例えば癌、例えば前記の癌疾病のいずれか)を治療、予防又は改善するための、1種以上の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩と薬学的に許容される希釈剤、賦形剤及び/又は担体とを含有する組合せに関する。]
[0134] 更に本発明は、ヒストンデアセチラーゼ阻害活性を有する本発明による医薬組成物に関する。]
[0135] 更に本発明は、アポトーシス誘導活性を有する本発明による医薬組成物に関する。]
[0136] 更に本発明は、抗増殖活性を有する本発明による医薬組成物に関する。]
[0137] 更に本発明は、細胞分化誘導活性を有する本発明による医薬組成物に関する。]
[0138] 更に本発明は、前記の疾病の治療及び/又は予防に使用される医薬品、例えば市販パッケージの製造における、1種以上の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩と薬学的に認容しうる担体又は希釈剤とを含有する医薬組成物の使用に関する。]
[0139] 更に本発明は、包装材料とその包装材料中に含まれる医薬品とを含む製品であって、該医薬品は、ヒストンデアセチラーゼの効果の阻害とヒストンデアセチラーゼに媒介される疾患の症状改善に治療上有効であり、かつ該包装材料は、該医薬品がヒストンデアセチラーゼに媒介される疾患の予防又は治療に有用である旨を示すラベル又は添付文書を含み、かつ前記の医薬品が1種以上の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩を含有する、前記の製品に関する。前記の包装材料、ラベル及び添付文書は、その他の点においては、関連の実用性を有する医薬品のための標準的な包装材料、ラベル及び添付文書と一般に見なされるものと同等又は類似である。]
[0140] 本発明による医薬組成物は、それ自体が公知かつ当業者によく知られた方法によって製造される。医薬組成物として、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩(=活性化合物)は単独で、又は好ましくは適当な医薬助剤及び/又は賦形剤と組み合わせて、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、カプレット剤、坐剤、パッチ剤(例えばTTS)、乳剤、懸濁剤、ゲル剤又は液剤の形で使用され、該活性化合物の含有率は好ましくは0.1〜95%であり、かつ助剤及び/又は賦形剤を適当に選択することによって、前記の活性化合物及び/又は作用の所望の発現に厳密に適合する薬学投薬形態(例えば遅延放出形又は腸溶形)が達成される。]
[0141] 当業者はその専門知識により、所望の医薬製剤に適した助剤、ビヒクル、賦形剤、希釈剤、担体又はアジュバントに精通している。溶剤、ゲル形成剤、軟膏基材及び他の活性化合物賦形剤に加え、例えば酸化防止剤、分散剤、乳化剤、保存剤、溶解剤、着色剤、錯化剤又は浸透促進剤を使用してよい。]
[0142] 本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩、医薬組成物、又は組合せの投与は、この分野で利用可能な一般的に許容される任意の様式で実施しうる。好適な投与様式の実例には、静脈内、経口、経鼻、非経口、局所、経皮及び直腸送達が含まれる。経口及び静脈内送達が好ましい。]
[0143] 皮膚病治療においては、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩は、特に局所使用に適当な医薬組成物の形態で投与される。この医薬組成物の製造のため、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩(=活性化合物)は好ましくは適当な医薬賦形剤と混合され、更に加工されて適当な医薬製剤が得られる。適当な医薬製剤は、例えば粉剤、乳剤、懸濁剤、スプレー剤、オイル剤、軟膏剤、脂肪軟膏剤、クリーム剤、ペースト剤、ゲル剤又は液剤である。]
[0144] 本発明による医薬組成物は、それ自体公知の方法によって製造される。本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩(=活性化合物)の投与は、ヒストンデアセチラーゼインヒビターの通常のオーダーで行われる。従って、皮膚病の治療のための局所投与形態(例えば軟膏)では、活性化合物を例えば0.1〜99%の濃度で含有する。全身療法の場合の通常用量は、経口で0.03〜60mg/kg/日、静注で0.03〜60mg/kg/時間となりうる。別の実施態様においては、全身療法の場合の通常用量は、経口で0.3〜30mg/kg/日、静注で0.3〜30mg/kg/時間である。]
[0145] 最適な投与計画及び投薬期間、特にケースごとに必要とされる活性化合物の最適用量及び投与様式については、当業者がその専門知識に基づいて選択することができる。]
[0146] 治療又は予防されるべき特定の疾病によっては、その疾病を治療又は予防するのに通常投与される追加の治療活性剤を任意に本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩と同時投与してよい。本願において、ある特定の疾病を治療又は予防するのに通常投与される追加の治療活性剤とは、治療される疾病に好適であるとして知られているものである。]
[0147] 例えば、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩は、前記の疾病の治療に使用される1種以上の標準的な治療剤又は放射線と組み合わせてもよい。]
[0148] よって、ある特定の一態様においては、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩は、1種以上の当該技術分野で公知の抗癌剤、例えば以下に記載される1種以上の当該技術分野で公知の化学療法薬及び/又は標的特異的な抗癌剤及び/又は放射線と組み合わせうる。]
[0149] 組合せ療法でよく使用される公知の化学療法抗癌剤の例としては、これらに制限されるものではないが、(i)アルキル化剤/カルバミル化剤、例えばシクロホスファミド(エンドキサン(商標登録)、イフォスファミド(ホロキサン(商標登録))、チオテパ(チオテパレダーレ(商標登録))、メルファラン(アルケラン(商標登録))、又はクロロエチルニトロソウレア(BCNU);(ii)白金誘導体、例えばシスプラチン(プラチネックス(商標登録)BMS)、オキサリプラチン又はカルボプラチン(カルボプラット(商標登録)BMS);(iii)有糸分裂阻害剤/チューブリン阻害剤、例えばビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン)、タキサン類、例えばパクリタキセル(タキソール(商標登録))、ドセタキセル(タキソテール(商標登録))及び類似体並びにその新規の製剤及びコンジュゲート、エポチロン、例えばエポチロンB(パツピロン(商標登録))、アザエポチロン(イクサベピロン(商標登録))又はZK‐EPO、全合成エポチロンB類似体;(iv)トポイソメラーゼインヒビター、例えばアンスラサイクリン類(例えばドキソルビシン/アドリブラスチン(商標登録))、エピポドフィロトキシン類(例えばエトポシド/エトポフォス(商標登録))及びカンプトテシン及びカンプトテシン類似体(例えばイリノテカン/カンプトサール(商標登録)又はトポテカン/ハイカムチン(商標登録));(v)ピリミジンアンタゴニスト、例えば5‐フルオロウラシル(5-FU)、カペシタビン(ゼローダ(商標登録))、アラビノシルシトシン/シタラビン(アレキサン(商標登録))又はゲムシタビン(ジェムザール(商標登録));(vi)プリンアンタゴニスト、例えば6−メルカプトプリン(プリネトール(商標登録))、6−チオグアニン又はフルダラビン(フルダラ(商標登録))、及び最後に(vii)葉酸アンタゴニスト、例えばメトトレキセート(ファルミトレキセート(商標登録))又はペメトレキセド(アリムタ(商標登録))が挙げられる。]
[0150] 実験的及び標準的な癌療法で使用される標的特異的抗癌剤クラスの例には、これらに制限されるものではないが、(i)キナーゼインヒビター、例えばイマチニブ(グリベック(商標登録))、ZD‐1839/ゲフィチニブ(イレッサ(商標登録))、Bay43‐9006(ソラフェニブ)、SU11248/スニチニブ(ステント(商標登録))又はOSI‐774/エルロチニブ(タルセバ(商標登録));(ii)プロテアソームインヒビター、例えばPS‐341/ボルテゾニブ(ベルケイド(商標登録));(iii)ヒートショックタンパク質90インヒビター、例えば17‐アリルアミノゲルダナマイシン(17‐AAG);(iv)血管標的剤(VAT)、例えばコンブレタスタチンA4ホスフェート又はAVE8062/AC7700、及び抗脈管形成剤、例えばベバシズマブ(アバスチン(商標登録))のようなVEGF抗体、又はPTK787/ZK222584(バタラニブ)のようなKDRチロシンキナーゼインヒビター;(v)モノクローナル抗体、例えばトラスツズマブ(ハーセプチン(商標登録))又はリツキシマブ(マブテラ/リツキサン(商標登録))又はアレムツツマブ(キャンパス(商標登録))又はトシツマブ(ベキサール(商標登録))又はC225/セツキシマブ(アービタックス(商標登録))又はアバスチン(前記参照)並びに突然変異体及びモノクローナル抗体のコンジュゲート、例えばゲムツズマブ・オゾガマイシン(マイロターグ(商標登録))又はイブリツモマブ・チウキセタン(ゼバリン(商標登録))及び抗体フラグメント並びに突然変異体及びモノクローナル抗体と抗体フラグメントのコンジュゲート;(vi)オリゴヌクレオチド系治療薬、例えばG−3139/オブリメルセン(ジェナセンス(商標登録));(vii)例えばプロミューン(商標登録)のようなToll様レセプター/TLR9アゴニスト、例えばイミキモッド(アルダラ(商標登録))又はイサトリビン及びその類似体のようなTLR7アゴニスト、又は例えばレシキモッドのようなTLR7/8アゴニスト、並びにTLR7/8アゴニストとしての免疫刺激性RNA;(viii)プロテアーゼインヒビター;(ix)ホルモン療法剤、例えば抗エストロゲン類(例えばタモキシフェン又はラロキシフェン)、抗アンドロゲン類(例えばフルタミド又はカソデックス)、LHRH類似体(例えばロイプロリド、ゴセレリン又はトリプトレリン)及びアロマターゼインヒビターが含まれる。]
[0151] 組合せ療法に使用できる他の公知の標的特異的な抗癌剤には、ブレオマイシン;レチノイド類、例えばオール‐トランスレチノイン酸(ATRA);DNAメチルトランスフェラーゼインヒビター、例えば2−デオキシシチジン誘導体のデシタビン(ドカゲン(商標登録))及び5−アザシチジン;アラノシン;サイトカイン類、例えばインターロイキン−2;インターフェロン類、例えばインターフェロンα2又はインターフェロン−γ;デス受容体アゴニスト、例えばTRAIL;DR4/5アゴニスト抗体;FasL;及びTNF−Rアゴニスト;及び最後に、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩とは異なるヒストンデアセチラーゼインヒビター、例えばSAHA、PXD101、MS275、MGCD0103、デプシペプチド/FK228、NVP−LBH589、NVP−LAQ824、バルプロ酸(VPA)及びブチラート類が含まれる。]
[0152] 本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩と一緒に用いられる本願で挙げられる抗癌剤の例としては、これらに制限されるものではないが、以下の任意の薬剤:5FU、アクチノマイシンD、アバレリックス、アブシキシマブ、アクラルビシン、アダパレン、アレムツズマブ、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アミプリロース、アムルビシン、アナステロゾール、アンシタビン、アルテミシニン、アザチオプリン、バシリキシマブ、ベンダムスチン、ベバシツマブ、ベキサール、ビカルタミド、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブロクスリジン、ブスルファン、キャンパス、カペシタビン、カルボプラチン、カルボクオン、カルムスチン、セトロレリックス、クロラムブシル、クロロメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロミフェン、シクロホスファミド、ダカルバジン、ダクリズマブ、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、デスロレリン、デキシラゾキサン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドロロキシフェン、ドロスタノロン、エデルフォシン、エフロルニチン、エミテフール、エピルビシン、エピチオスタノール、エプタプラチン、アービタックス、エルロチニブ、エストラムスチン、エトポシド、エキセメスタン、ファドロゾール、フィナステリド、フロクスリジン、フルシトシン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォルメスタン、フォスカルネット、フォスフェストロール、フォテムスチン、フルベストラント、ゲフィチニブ、ジェナセンス、ゲムシタビン、グリベック、ゴセレリン、グスペリムス、ハーセプチン、イダルビシン、イドクスリジン、イフォスファミド、イマチニブ、イムプロスルファン、インフリキシマブ、イリノテカン、イキサベピロン、ランレオチド、レトロゾール、ロイプロレリン、ロバプラチン、ロムスチン、ルプロリド、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキセート、メツレデパ、ミボプラチン、ミフェプリストン、ミルテフォシン、ミリモスチム、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトマイシン、ミトキサントロン、ミゾリビン、モテキサフィン、マイロターグ、ナルトグラスチム、ネバズマブ、ネダプラチン、ニルタミド、ニムスチン、オクトレオチド、オルメロキシフェン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パリビズマブ、パツピロン、ペガスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド、ペンテトレオチド、ペントスタチン、ペルフォスファミド、ピポスルファン、ピラルビシン、プリカマイシン、プレドニムスチン、プロカルバジン、プロパゲルマニウム、塩化プロスピジウム、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ランピルナーゼ、ラスブリカーゼ、ラゾキサン、リツキシマブ、リファンピシン、リトロスルファン、ロムルチド、ルボキシスタウリン、サルグラモスチム、サトラプラチン、シロリムス、ソブゾキサン、ソラフェニブ、スピロムスチン、ストレプトゾシン、スニチニブ、タモキシフェン、タソネルミン、テガフール、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、チオテパ、チマルファシン、チアミプリン、トポテカン、トレミフェン、トレイル、トラスツズマブ、トレオスルファン、トリアジクオン、トリメトレキセート、トリプトレリン、トロフォスファミド、ウレデパ、バルルビシン、バタラニブ、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ボロゾール及びゼバリンが挙げられる。]
[0153] 本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩との組合せ剤として本願に上述した抗癌剤とは、その薬学的に認容しうる誘導体、例えば薬学的に許容される塩を含むことを意味する。]
[0154] 当業者は、その専門知識に基づいて、同時投与される追加の治療剤の種類、1日の全投薬量、及び投与形態に配慮する。前記の1日の全投薬量は広い範囲で変更することができる。]
[0155] 本発明の実施発明の詳細によれば、上記のその使用の詳細、特徴、目的に応じて、
本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩は、組合せ療法において、別々に、連続的に、同時に、併用して又は時差で(例えば組合せ単位投与形態として、別々の単位投与形として、隣接した不連続な単位投与形として、固定又は非固定の組合せ剤として、パーツ・キットとして、又は混合剤として)、1種以上の標準的な治療剤、特に当該技術分野で知られる抗癌剤(化学療法薬及び/又は標的特異的な抗癌剤)、例えば前記のいずれかと一緒に投与してよい。]
[0156] この状況において、更に本発明は、少なくとも1種の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩である第一の活性成分と、少なくとも1種の当該技術分野で公知の標準的な治療剤、例えば当該技術分野で公知の抗癌剤、例えば1種以上の前記の治療剤である第二の活性成分とを含有し、療法、例えば前記のあらゆる疾病の療法において、別々に、連続的に、同時に、併用して又は時差で使用される組合せに関する。]
[0157] 本発明による用語“組合せ”は、固定組合せ剤、非固定組合せ剤、又はパーツ・キットでありうる。]
[0158] “固定組合せ剤”とは、前記の第一の活性成分と第二の活性成分とがある単位用量又は単一体で一緒に存在する組合せとして定義される。“固定組合せ剤“の一例は、前記の第一の活性成分と前記の第二の活性成分とが、例えば一製剤中に、同時投与のための混合剤で存在する医薬組成物である。“固定組合せ剤”の別の例は、前記の第一の活性成分と前記の第二の活性成分とが、混合されることなく1単位量で存在する医薬品組合せである。]
[0159] “パーツ・キット”は、前記の第一の活性成分と前記の第二の活性成分とが1単位量より多く存在する組合せ剤として定義される。“パーツ・キット”の一例は、前記の第一の活性成分と前記の第二の活性成分とが別々に存在する組合せ剤である。パーツ・キットの成分は、別々に、連続的に、同時に、併用して又は時差で投与されうる。]
[0160] 更に本発明は、少なくとも1種以上の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩である第一の活性成分と、少なくとも1種の当該技術分野で公知の抗癌剤、例えば1種以上の前記の抗癌剤である第二の活性成分と、場合により薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含有し、療法、例えばヒストンデアセチラーゼ阻害に応答性又は感受性の疾病、特にアポトーシス誘導に応答性の(過剰)増殖性の疾病及び/又は疾患、例えば本願に挙げられる疾病のいずれか、例えば良性又は悪性の新形成、殊に癌、特に前記の癌疾病のいずれかの治療において、別々に、連続的に、同時に、併用して又は時差で使用するための医薬組成物に関する。]
[0161] 更に本発明は、a)本発明による少なくとも1種の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩と薬学的に許容される担体又は希釈剤との配合物、及びb)少なくとも1種の当該技術分野で知られる抗癌剤、例えば1種以上の前記の抗癌剤と薬学的に許容される担体又は希釈剤との配合物を含有する組合せ製品に関する。]
[0162] 更に本発明は、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩である第一の活性成分と薬学的に許容される担体又は希釈剤との調剤、及び当該技術分野で知られる抗癌剤、例えば前記の抗癌剤の1つである第二の活性成分と薬学的に許容される担体又は希釈剤との調剤とを含み、療法において同時に、併用して、連続的に、別々に又は時差で用いられるパーツ・キットに関する。場合により、前記のキットは、治療、例えばヒストンデアセチラーゼ阻害に応答性又は感受性の疾病、例えば細胞性新形成又は前記の細胞性新形成とは異なる疾病、特に癌、例えば前記の癌疾病のいずれかの治療での使用に関する説明書を含む。]
[0163] 更に本発明は、少なくとも1種の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩と、少なくとも1種の当該技術分野で知られる抗癌剤とを含有する、同時に、併用して、連続的に又は別々に投与するための組合せ調剤に関する。]
[0164] この関連で、本発明は更に、ヒストンデアセチラーゼ阻害活性を有する本発明による組合せ、組成物、製剤、調剤又はキットに関する。]
[0165] またこの関連で、本発明は更に、抗(過剰)増殖特性及び/又はアポトーシス誘導特性を有する本発明による組合せ、組成物、製剤、調剤又はキットに関する。]
[0166] 加えて、更に本発明は、ヒストンデアセチラーゼ阻害に反応性又は感受性の疾病、例えば(過剰)増殖性の疾病及び/又はアポトーシス誘導に反応しやすい疾患、例えば癌、の組合せ療法での治療法において、それを必要とする患者に、本願に記載される組合せ、組成物、製剤、調剤又はキットを投与することを含む前記の治療法に関する。]
[0167] 加えて、更に本発明は、患者のヒストンデアセチラーゼ阻害に反応性又は感受性の疾病、例えば癌を治療する方法であって、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む薬学的に活性かつ治療上有効な許容される量の医薬組成物と、薬学的に活性かつ治療上有効で許容される量の1種以上の当該技術分野で知られる抗癌剤、例えば1種以上の前記の抗癌剤とを、それを必要とする患者に組合せ療法で別々に、同時に、併用して、連続的に又は時差で投与することを含む前記の治療法に関する。]
[0168] 更に加えて、本発明は、患者のアポトーシス誘導に反応性を示す(過剰)増殖性の疾病及び/又は疾患、例えば良性又は悪性の新形成、例えば癌、特に本願に挙げられる癌疾病のいずれかを治療、予防又は改善する方法であって、それを必要とする患者に、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩である、ある投与量の第一の活性化合物と、ある投与量の少なくとも1種の第二の活性化合物とを、別々に、同時に、併用して、連続的に又は時差で投与することを含み、前記の少なくとも1種の第二の活性化合物は、標準的な治療剤、特に少なくとも1種の当該技術分野で公知の抗癌剤、例えば本願に挙げられる1種以上の化学療法剤及び標的特異的抗癌剤であって、第一と第二の活性化合物の投与量が治療効果をもたらす前記の方法に関する。]
[0169] 更に加えて、本発明は、患者のアポトーシスの誘導に反応性の(過剰)増殖性の疾病及び/又は疾患、例えば良性又は悪性の新形成、例えば癌、特に本願に挙げられる癌疾病のいずれかを治療、予防又は改善する方法であって、本発明による組合せを投与することを含む前記の方法に関する。]
[0170] 更に加えて、本発明は、ヒストンデアセチラーゼ阻害に応答性又は感受性の疾病、特に前記の疾病、例えば良性又は悪性の新形成を治療、予防又は改善するための医薬製品、例えば市販パッケージ又は医薬品の製造における、本発明による組成物、組合せ、製剤、調剤又はキットの使用に関する。]
[0171] 更に本発明は、1種以上の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩と一緒に、1種以上の化学療法剤及び/又は標的特異的抗癌剤、例えば前記のいずれかを同時に、併用して、連続的に又は別々に使用するための説明書を含む市販パッケージに関する。]
[0172] 更に本発明は、唯一の活性成分である1種以上の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩と一緒に、1種以上の化学療法剤及び/又は標的特異的抗癌剤、例えば前記のいずれかと同時に、併用して、連続的に又は別々に使用するための説明書を基本として含む市販パッケージに関する。]
[0173] 更に本発明は、1種以上の化学療法剤及び/又は標的特異的抗癌剤、例えば前記のいずれかと一緒に、1種以上の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩と同時に、併用して、連続的に又は別々に使用するための説明書を含む市販パッケージに関する。]
[0174] 本発明による組合せ療法との関連で挙げられた組成物、組合せ、調剤、製剤、キット又はパッケージはまた、1種以上の本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩、及び/又は当該技術分野で周知の前記の抗癌剤1種以上を含みうる。]
[0175] 本発明による組合せ又はパーツ・キットの第一と第二の活性成分は、組合せ療法において、同時に、連続的に、別々に又は時差で使用するために後で一緒にされる別々の製剤(すなわち互いに独立)であってもよく、又は、組合せ療法において同時に、併用して、連続的に又は時差で使用するための組合せパッケージの別々のコンポーネントとして一緒に包装され提供されてもよい。]
[0176] 本発明による組合せ、組成物又はキットの第一と第二の活性成分の医薬製剤のタイプは同様であってよく、すなわち両方の成分は、別々の錠剤又はカプセル剤に製剤化されるか、或いは、前記の医薬製剤のタイプは異なってもよく、すなわち異なる投与形態に適合させて、例えば一方の活性成分は錠剤又はカプセル剤として、他方は例えば静脈内投与用に製剤化される。]
[0177] 本発明による組合せ、組成物又はキットの第一と第二の活性成分の量は、合計で、ヒストンデアセチラーゼ阻害に応答性又は感受性の疾病、例えば前記の疾病の1つ、例えば良性又は悪性の新形成、特に癌、例えば本願に挙げられる癌疾病のいずれかの治療、予防又は改善に治療上有効な量を含みうる。]
[0178] 更に、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩は、癌の術前又は術後の治療に使用することができる。]
[0179] 更に加えて、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩は、放射線療法と組み合わせて、特に、癌患者の標準的な放射線療法への感作において使用することができる。]
[0180] 本発明による組合せは、本発明の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩と他の活性な抗癌剤を固定の組合せ(固定単位投与形態)で含有する組成物、又は2種以上の活性成分を不連続な別々の投与形態として含有する医薬品パック(非固定の組合せ)を指しうる。2種以上の活性成分を含有する医薬品パックの場合、活性成分は、好ましくは服薬コンプライアンス向上に適したブリスターカード中に包装される。]
[0181] 各ブリスターカードは、好ましくは治療の一日摂取量の薬剤を含有する。それらの薬品が一日の異なる時間に摂取される場合には、これらの薬剤は、それらが摂取されるべき種々の時間帯(例えば、朝・晩、又は朝・昼・晩)に応じてブリスターカードの異なる区分に配置されうる。一日の特定の時点で一緒に摂取されるべき薬剤のためのブリスター空洞部は、一日の各時間帯に応じて収容される。一日の種々の時間は、又、当然にはっきり目に見えるようにブリスター上に付記される。又、当然に、例えば薬剤を摂取すべき時間を指示する、例えばそれらの時間を記載することも可能である。]
[0182] 一日の区分は、ブリスターカードの1本の線で表してもよく、その際、一日の時間はこの列の時間的順序で識別される。]
実施例

[0183] 一日の特定の時間に一緒に摂取されるべき薬剤は、好ましくは近い距離で、それらが容易にブリスターから押し出せ、かつブリスターからのその投与形態の出し忘れに効果的にブリスターカード上の適切な時間に一緒に配置される。]
权利要求:

請求項1
臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、ヘミエタン‐1,2‐ジスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩及び2‐ナフタレンスルホン酸塩からなる群から選ばれる(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩。
請求項2
これらに限定されるものではないが、3.9、16.4及び16.9±0.1(°2θ)を含む粉末X線回折ピークによって特徴づけられる、多形Aの形の請求項1に記載の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドメタンスルホン酸塩。
請求項3
これらに限定されるものではないが、16.0、22.7及び25.1±0.1(°2θ)を含む粉末X線回折ピークによって特徴づけられる、多形Aの形の請求項1に記載の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドヘミエタン‐1,2‐スルホン酸塩。
請求項4
これらに限定されるものではないが、19.1、20.4及び22.7±0.1(°2θ)を含む粉末X線回折ピークによって特徴づけられる、多形Aの形の請求項1に記載の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドベンゼンスルホン酸塩。
請求項5
下記の多形のいずれかの形である、請求項1に記載の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドトルエンスルホン酸塩:これらに限定されるものではないが、7.0、19.6及び19.9±0.1(°2θ)を含む粉末X線回折ピークによって特徴づけられる多形A;これらに限定されるものではないが、18.1、21.2及び22.9±0.1(°2θ)を含む粉末X線回折ピークによって特徴づけられる多形B;これらに限定されるものではないが、8.9、11.7及び20.3±0.1(°2θ)を含む粉末X線回折ピークによって特徴づけられる多形C;これらに限定されるものではないが、17.1、18.7及び22.5±0.1(°2θ)を含む粉末X線回折ピークによって特徴づけられる多形D;これらに限定されるものではないが、6.9、13.0及び19.8±0.1(°2θ)を含む粉末X線回折ピークによって特徴づけられる多形E;これらに限定されるものではないが、5.3、10.5及び18.6±0.1(°2θ)を含む粉末X線回折ピークによって特徴づけられる多形F;これらに限定されるものではないが、6.6、19.2及び20.4±0.1(°2θ)を含む粉末X線回折ピークによって特徴づけられる多形G;これらに限定されるものではないが、6.7、19.5及び19.8±0.1(°2θ)を含む粉末X線回折ピークによって特徴づけられる多形H。
請求項6
下記:の多形のいずれかの形である、請求項1に記載の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミド‐2‐ナフタレンスルホン酸塩:これらに限定されるものではないが、4.6、18.5及び23.8±0.1(°2θ)を含む粉末X線回折ピークによって特徴づけられる多形A+B;これらに限定されるものではないが、4.7、6.8及び18.5±0.1(°2θ)を含む粉末X線回折ピークによって特徴づけられる多形A+B;これらに限定されるものではないが、5.8、17.3及び22.9±0.1(°2θ)を含む粉末X線回折ピークによって特徴づけられる多形C。
請求項7
疾患の治療に用いられる、請求項1〜6のいずれかに記載の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩。
請求項8
良性及び/又は悪性の新生組織形成、例えば癌の治療、予防又は改善に用いられる、請求項1〜6のいずれかに記載の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩。
請求項9
ヒストンデアセチラーゼの活性阻害に応答性又は感受性である疾患の治療に用いられる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩。
請求項10
1種以上の請求項1〜6のいずれか1項に記載の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩と共に、通常の医薬用賦形剤、希釈剤及び/又は担体を含む医薬組成物。
請求項11
良性及び/又は悪性の新生組織形成、例えば癌の治療、予防又は改善に用いられる医薬組成物の製造のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩の使用。
請求項12
ヒストンデアセチラーゼの活性阻害に応答性又は感受性である疾患の治療に用いられる医薬組成物の製造のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩の使用。
請求項13
患者に治療上有効かつ許容される量の請求項1〜6のいずれか1項に記載の(E)‐N‐(2‐アミノ‐フェニル)‐3‐{1‐[4‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ベンゼンスルホニル]‐1H‐ピロール‐3‐イル}‐アクリルアミドの塩を投与することを含む、良性及び/又は悪性の過剰増殖性疾患、及び/又はアポトーシスの誘導に応答性の疾患、例えば良性及び/又は悪性の新生組織形成、例えば癌を治療、予防又は改善するための方法。
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